童友社 翼コレクションシリーズ紹介、製作レポート

ドウユウシャの翼コレクションシリーズ 第八弾 フォッケウルフ Fw190A-5を作ります。
左はキットの内容です。見てのとおり、簡単な部品構成です。1/100スケールなのでこんなところでしょう。見てのとおりパーツは塗装済みになっています。

飛行機の模型を作る人たちは、比較的年齢層が高くなって来てしまいました。 40年くらい前は、プラモデルといえば飛行機の模型だと言ってもいいくらいにプラモデルの世界では飛行機を作る人が多かったのです。 しかし最近は若い世代があまり飛行機を作らないために、以前と比べてかなりその位置づけが変わってきてしまったのです。

飛行機のプラモデルは、塗装がいのちで、色も塗らずにただ組み立てるだけだと、ひどく物足りないものがあります。塗装をいかに上手にやるのかというのが、楽しみだったのです。その塗装はテクニックを磨くという楽しみがあったのと裏腹に、新しく始める人にとっては、とっつきにくくなる理由でもあります。
普段塗装をしない人にでも、気楽にスケールモデルを楽しんでもらうには、塗装済みキットには、入門用として、あるいはライトユーザー向けとして、将来有望なアイテムではないかなと考えているのです。

キャノピーフレームも、塗装されています。このクリアーパーツの塗装を自分でやるとなると、なかなか大変で苦労する部分です。そしてこの部分が出来上がったとき一番目立つものになります。ここを手抜きして無塗装で組み立ててしまったりしたら、それはもう悲しいくらい残念なできばえに見えてしまうのです。

このキットでは、キャノピーの塗装してあるので、それだけでそこそこの出来栄えの作品の製作が容易になっているのです。

塗装の様子がわかるように、少し大きな画像も乗せてみます。自分で塗装するときは黄色はなかなか厄介な色なので、その色で塗られていると、ちょっと得した気分になったりするのは、私だけなのでしょうか

何色使っているか数えてみました。9種類の色を使っています。ちなみに塗装は思ったより厚くしっかりしています。なかなかドウユウシャもがっばっています。パイロットのブーツまで黒くしてあるのは、いったいなんだろうと思ってしまいます(笑)。(出来上がりでは、完全に見えなくなる)
ふと思いだせば、昔のエアフィクスやレベルの飛行機のパイロットのブーツにも、黒色の指定がされていたような気がします。もちろん組み立てたら完全に見えなくなる部分なんですが、説明書で指定されていたときは律儀に塗装していたように思います。

このキットは、ブラインドボックスで、箱を開けてみないと中の塗装がわかりません。Fw190A-5の場合は、全部で7種類あるのですが、今回は、エゴン・マイアーノ大尉機でした。なんと丁寧に、ベースにもちゃんと印刷されいてます。

胴体部分です。全部で9パーツで成り立っています。プロペラ部分とコクピットを組み立てた状態です。

基本的に全部塗装されているので、組み立てといっても、パーツをランナーから切り離して、結合部分をカッターで丁寧に削って組み立てするだけです。

簡単な工程ではあるのですが、ごく基本的な模型の組み立て技術は必要になります。パーツの合わせをしっかり確認することが大事なのですが、ここで注意が必要なのは、削りすぎ切りすぎには、充分注意してください。塗装を削ってしまうと、その部分の補修はきわめて面倒になります。自分で塗るのならいくらでも修正がきくのですが、塗装済みのキットなのでその色の塗料がないのですから。
同じ理由で、パーティングラインの修正などは、あきらめざるを得ません。まあこのサイズでライト感覚で組み立てるなら気にする必要はないとおもいますが。

上の写真のパーツを組み立てて、それに翼を付けて、残りのパーツを横に置いてみました。
上の写真から10分ほどしかたっていません。

飛行のプラモデルで焦ってはならない工程は、主脚の接着です。完成後も最も壊れやすい部分なのですが、しっかりつくまではむやみに触らないことだと、私の経験が強く訴えています。タイヤの向きがほんの少し横に向いてしまい、よく見ると不自然だなと感じるときなどがあります、悩みどころですねえ、下手にいじくると強度が落ちたり、最悪折れてしまったりということもありえます。まあ、このサイズだと、適当で良いんですけどね。

この後は、キャノピーを接着すれば出来上がりです。まあ改めていうほどのことではないのですが、接着剤の付けすぎには、充分注意してください。塗装済みのパーツは接着剤の効きが悪くなり、色が解けてしまいますから、普通の模型よりも接着に神経を使います。しっかりと組み立てたいなら、接着部分の塗料を上手に削り取るのが良いのですが、そこまで手間をかけるかという個人の価値観の問題になりますね。

ベースに置いて、出来上がりです。光の加減で撮影の色合いが変わってしまいました、色はあまり気にしないでください。ちなみに製作に使ったものは、プラモデル用接着剤、ニッパー、カッターだけです。製作時間は、撮影の段取りを除いたら、小一時間でしょうか。ちなみに、このキットは税込みで400円です。

プラモデルの世界も、時代とともにいろいろと変化してきています。わたしがこのようなキットに期待しているのは、模型の楽しみでも、気楽に大勢が楽しめる部分がもっと増えると良いと思っているからなのです。長年模型を作っているベテランの人たちから見ると、魅力を感じるようなキットではないのですが、模型人口の間口を広めるいみでも、このようなキットがこれからの一つの流れとして定着すると楽しいなと思います。

飛行機の模型でいうと、田宮模型が1/32スケールの戦闘機を出しています。飛行機プラモデルの頂点だといって良いすばらしい物なのです。その様な上級者向きのすばらしいキットが出る一方で、ここで紹介したような、誰でもつくれる、塗装済みキットも沢山発売されて模型人口の裾野が広がっていくことを大いに期待したいものです。